この小冊子シリーズは、「創造の回復」を考えて行く上で私がまとめたものです。
No.1『終末の今を生きる』(2021年改訂第五版)
私達の救いは、仏教やギリシャ思想のように魂が天に行くことで終わるのではありません。実は、キリストがもう一度地上に来て、私達を新しい地上によみがえらせ、全世界を変えて永遠に治めて下さることこそが救いの完成なのです。このキリスト教終末論は、聖書、古代教会の理解、また福音派の学者によって支持されているだけでなく、生活の現場での私達の日々の労苦が無駄でない、と語ります。(A5版、30ページ)
No.2『神国論に見る新プラトン主義的霊性』(2020年改訂版)
救いが天上で完成するというのは、二元論的なギリシャの思想です。この思想は5世紀前後に西方教会(ローマ教会)に入って来たようで、アウグスティヌスの神国論にもその軌跡が見いだされ、それは、宗教改革者にも影響を与えています。(A5版、14ページ)
No.3『内村鑑三の終末観:世界観的回心の体験』(2004年改訂版)
西方教会に入って行ったギリシャの思想は、プロテスタントに引き継がれ、内村鑑三も二元論的な救済観を持っていました。しかし、内村は、1918年にそ れまでの救済観から脱却し、古代教会が持っていたような聖書的な救済観・終末観に開眼し、生き方が変化して行きます。(A5版、6ページ)
No.5 『世界観とは −そのストーリー性と変化の可能性−』
世界観とはなんでしょうか?それは知的な理解や信条よりも、もっと深く私たちを形作っていて、誰しもが持っているものなのです。普段は意識しないメガネのようなこの世界観に関して、その「ストーリー性」に焦点を当てながら、私なりの理解を述べていきます。(A5版、11ページ)
No. 7 『ケープタウン決意声明パートIについて』
ケープタウン決意表明は、今までの福音派の福音理解とどこが、どのように違うのでしょうか。世界観の変化にその違いのルーツを見ます。(A5 14ページ)
No.8 『陰府(ハデス)、パラダイス、アブラハムの懐』
ルカの福音書の中には、中間状態(死から復活までの間の状態)に関して注目されている記事が二 つあります。それは、死後にラザロが「アブラハムの懐」に連れていかれ て慰められ、金持ちが陰府(よみ、ハデス)で苦しむ記事(ルカ 16:19- 31)、そして、イエスが、十字架の上で犯罪人の一人に「今日...パラ ダイスにいます」と語った記事(ルカ 23:43)です。果たしてこれは、キリスト教信仰にとって中心的な教えなのでしょうか。(A5 14ページ)
No.9 『天地は消え去ります』
一部のキリスト教会では、最後には、天地が消滅すると考えられています。その証拠として挙げられている聖句が、マタイの福音書24章35節などの「天地は消え去ります」であり、また、第二ペテロ3章10節の「天地は消え去り」という言葉です。はたして、この言葉は、本当に天地が消滅するということを教えているのでしょうか。( A5 8ページ)
No.10 『国籍は天に、天の故郷、父の家には』
「私たちの最終的な救いの完成の場は天である」ということを示していると考えらえてきた有名な箇所がいくつかあります。本稿では、そのうち、「私たちの国籍は天にあります」(ピリ3:20)、「天の故郷」(ヘブ11:16)、そして「私の父の家には住む所がたくさんあります」(ヨハ14:2)という三つの箇所を検討していきます。(A5 7ページ)
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