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旧約聖書の約束とイエスによる成就

岩のドーム
岩のドーム

 ガザで停戦が実現したのは本当に喜ばしいことです。停戦が続き、恒久的な平和が訪れるのを期待したいと思います。しかし、ガザの惨状は、9月1日には「国際ジェノサイド研究者協会」が、ついで16日には国連人権理事会の調査委員会が、それは集団虐殺であると発表するほどのものでした。この集団虐殺を生み出した原因の一つが、「神がイスラエル人にこの土地を与えた」、「旧約聖書の預言は文字通り、これからエルサレムを中心に成就していく」という信仰であり、米国の福音派の多くも同じ信仰(クリスチャン・シオニズム)に立っていると、国内外のメディアが報じています。ですから、それらの方々がこの信仰に立つ限り、戦争の火種を抱えているということができるでしょう。

 キリスト教会はユダヤ教と同じ旧約聖書を共有しています。ところが、ほとんどの正統的な教会が1900年もの間、上記のような信仰に立たないできました。いったいそれはなぜなのでしょう。新約聖書は旧約聖書の約束や預言について何と語っているのでしょうか。クリスチャン・シオニズムでもなく、ユダヤ人迫害を生み出す土壌となってしまった置換神学でもない視点を、わかりやすく三回に分けて学んでいきます。


【お招きください】

 現在いくつかの教会に招かれてお話をしています。胸のモヤモヤがすっきりしたという感想を多くいただいています。この視点に興味があり、あるいは必要を感じている教会がありましたらご一報ください。

 その内容は以下のとおりで、第一セッションを礼拝説教とし、第二、第三を午後の2時間の枠で行うことが多いです。

 

第一セッション(45分)

テーマ:

「イスラエルの使命とキリスト者」

中心聖句:

「地のすべての部族は、あなたによって祝福される」(創12:3)

概要:

アブラハムの召命から紀元135年のユダヤ人国家の滅亡までのイスラエル民族の誕生と歴史を、イスラエルに与えられた使命に注目しながら概観し、最後にイエスを信じたユダヤ人(信仰によるイスラエル)の歩みとキリスト者について述べます。

 

第二セッション(40分)

テーマ:

「旧約聖書の預言とイエス」

中心聖句:

「わたし(イエス)について、モーセの律法と預⾔者たちの書と詩篇に書いてあることは、すべて成就しなければなりません。」 (ルカ 24:44)

概要:

旧約聖書には「神が、将来現れるイスラエルの特別な王メシアにより、エルサレムと神殿を中⼼にイスラエルを再興し、全世界を正義と平和に満たす」という預⾔が多く述べられています。新約聖書は、イエスこそがそのメシアであり、旧約聖書のすべての預言はイエス、そしてユダヤ人と異邦人からなる信仰のイスラエルが成就すると宣言します。

 

第三セッション(25分)

テーマ:

「イスラエルの使命と十字架の贖い」

中心聖句:

「ご覧なさい。わたしたちはエルサレムに上って行きます。人の子について、預言者たちを通して書き記されているすべてのことが実現するのです。人の子は異邦人に引き渡され、彼らに嘲られ、辱められ、唾をかけられます。彼らは人の子をむちで打ってから殺します。しかし、人の子は三日目によみがえります。」(ルカ18:31-33)

概要:

信仰によるイスラエルが「全世界を祝福する」という使命を果たすには、罪の問題(罪責と刑罰、罪の奴隷、死、被造世界への呪い)が解決されなければなりません。十字架の贖いと復活はそのすべての問題を根本から完全に解決したので、信仰によるイスラエルは使命を果たすことができるのです。

 

講師:島先克臣(しまさきかつおみ)

1954年埼玉県生まれ。旧約学博士。国内で牧師、フィリピンへの宣教師、同国アジア神学校(ATS)准教授、日本聖書協会・聖書 協会共同訳コーディネーターを経て、現在、聖書を読む会 総主事。著書に『Focus Structure of Biblical Hebrew』(CDL Press)、訳書に『雅歌』、『わが故郷、天にあらず』(いのちのことば社)、『イエスと主の祈り』(あめんどう)がある。

 

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©2021 by 島先克臣

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