自然破壊はキリスト教がもたらしたとよく批判されています。しかし、もとをたどれば、プラトン的な人間観・世界観の影響であると私は考えています。プラトンはこう考えていました。
人間は、霊魂と肉体という二種類の異質のものによって成り立っていて(霊肉二元論)、その霊魂には、知性と意思と感情がある(霊魂の三分説)。真の哲学者は、肉体や物質世界を軽蔑して、そこから離れる努力をすべきである。
この人間観・世界観は、その後、西洋社会の前提となっていきます。そして、
動物には霊魂がないので、知性も意思も感情もない、ただ、本能だけで動いている。人間はその霊魂の働きによって、下等な動物や、軽蔑すべき物質界を支配する権威と力がある。
という理解に至ります。幸いこの考え方は、西洋では急速にくずれてきていますが、まだまだ世界中にその残像が多く、引き続き注意を払う必要がありそうです。
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